大切なものは、見えるところに。

乳がんかな?と疑い始めてからの日々を、振り返りながら、ゆるやかに綴ります。

職場に心理的安全性を求めて〜軽蔑から敬意へ|書籍「コンパッション」から学ぶ自分を犠牲にしない方法

 

職場で研修がありました。

テーマは心理的安全性です。

 

心理的安全性が保たれていない職場。

たとえば、物言えない職場。問題があるのに指摘できない。上司が怖くて何も言えない。周りの目を気にして意見を言わない。

 

逆に心理的安全性が保たれていれば、

互いに違う意見でも、率直に口にすることができる。信頼のもと、感情がぶつかりながらもアイデアを出しあえる。個人もチームも成長し、創造性を発揮することができる。

 

ということらしいです。

 

 

 

心理的安全性が確保されていない職場

 

こういう環境に置かれている時、もしかすると互いの心に軽蔑が蔓延しているのかもしれないと思いました。

書籍「コンパッション」に書かれている「軽蔑」、そして「敬意」に関する部分が、心理的安全性を求める上でキーポイントになるような気がしました。

 

Compassion(コンパッション)|書籍|英治出版

 

軽蔑

 

軽蔑は相手を下に見て深く考えない、支配する力です。

力を自分のために使い他者を犠牲にする時、その行動の基になっているものです。他者の行為により自分の道徳観や誠実さが例え侵されたとしても、決して正当化することはできません。

 

ときに、さり気なく、ときに、あからさまに相手を非難し、

少なからず他者の人格や価値観、基本的人間性を否定することがあります。

この心の動きは、自分自身の人間性を絞め殺すことになるのです。

 

自分を守りたいために

無意識的に、条件反射的に起こる態度として

軽蔑が相手に向けられることもあるかもしれません。

 

あのひとをどうしても認められない

どうしても理解できない、そんな時どうすればいいいのでしょうか。

軽蔑という崖の下へ滑り落ちそうな時、

また滑り落ちた時に必要なことは何なのでしょうか?

 

「コンパッション」では、相手へのそして自らへの「敬意」が必要であると述べられています。

 

敬意

 

真っ先に、人間性の回復が求められます。

 

相手を人間として認める。

彼らも自分も、生まれながらに脆い存在である。

害をもたらすものであっても苦しみがある。

他者をひとりの人として認識する。

他者の中に自分を見出し互いに同じ人間である事を認める。

 

軽蔑の崖へと滑り落ちる自分を引き戻し、

敬意と心遣いの道を取り戻す必要があります。

 

敬意とは尊重し価値を認める姿勢。

誠実さと共感から生じる。

健全な力のあり方で、分かち合う力。

敬意の語源は

振り返って見て、よく考えること。

相手にそして自分に敬意を払う時、

私達は自然と立ち止まり、

振り返って熟慮するものである。

 

敬意を向けるのは、相手だけではなく自分にも向ける必要があります。

 

自らへの敬意と他者への敬意

 

自らへの敬意とは、

自分に本来、備わっている価値に気付けるかどうか。

自分自身の人生に積極的に責任を持つ気持ち、気質。

訓練によって高められる心の律し方、習慣。

 

他者への敬意とは、

相手に対して誠実を忘れず、正直であること

相手に対して誠実に行動すること

相手の存在価値、その真価を認めること

 

敬意は名詞だけでなく動詞であり、継続的プロセスである。

 

まずは、自らへ敬意を向けること。これが大事だと思いました。

日々の生活に追われると、自分なんかという気持ちにどうしても支配されがちです。そうすると人生に対しても投げやりになってしまいそうになります。こういうときに、これまで苦労してきた自分に価値を見いだせると状況が変わってくるかもしれません。自らへの敬意を意識しながら状況を乗り越えていきたいものです。

 

相手を批判しそうな時に思い浮かべること

 

また、相手を批判してしまう言葉が出そうな時に考えるべきヒントもこの本にはありました。

 

その言葉は、真実か

その言葉に、思いやりはあるか。

その言葉は、役に立つか。

その言葉は、必要か。

その言葉は、今言うべきか。

 

言葉を発する時、自分自身に問うべき大切な考えで、感情的になりそうな時にひと呼吸おくことができます。その言葉に、思いやりがありますか?と自分自身に問うと、攻撃的な自分に気づくことができるかもしれません。

 

コンパッションとは

 

コンパッションとは、人が生まれつき持つ「自分や相手を深く理解し、役に立ちたい」という純粋な思い。自分自身や相手と「共にいる」力のこと。

 

この力が心理的安全性を得るために必要なものとなる気がします。自ら他者の心をくみとり理解を示せば、相手もここが安心できる場だと思うことができるようになるでしょう。

他人を批判せず、失敗を咎めず受け入れる姿勢を皆で共有することで前に進んでいけば、心理的安全性が確保された場として生まれ変われるかもしれません。