大切なものは、見えるところに。

乳がんかな?と疑い始めてからの日々を、振り返りながら、ゆるやかに綴ります。

乳がん丨術前ホルモン療法〜辛い副作用

 

 

乳がん薬物療法の1つに、ホルモン療法があります。

 

ホルモン療法とは

 

エストロゲンという女性ホルモンがあります。乳がんの発症にとても大きく影響しているといわれています。このエストロゲンが癌細胞の中にある受容体と合体すると癌細胞が増えてしまいます。そうしないためにもエストロゲンの分泌を減らしたり、エストロゲンと合体するのを邪魔したりします。こうして癌細胞が増えないようにする治療法をホルモン療法と言います。

私の体内にある癌細胞はこのエストロゲンを取り込んで増殖するタイプのものです。私が治療で服用したのは、癌細胞がエストロゲンを取り込む事を邪魔するように仕向ける抗エストロゲン薬(ノルバデックス)でした。

 

私はこのホルモン療法を、乳がん手術前に行いました。

 

以前、乳がん検診時に、乳房から組織を採取してもらう検査をして、ホルモン療法が効くタイプだと判断された事が1つの理由です。

 

病理組織検査結果

 

私の病理結果ですが、

ER(+)Allred’s total score :7(90%)

PgR(+)Allred’s total score :6(50%)

 

ERがエストロゲン受容体PgRがプロゲステロン受容体です。

横の「+」が陽性である事を示していて、

スコアは0〜8段階で、7、8が高値になります。

高値であれば、ホルモン療法の効果が期待できるルミナルタイプ」に分類されます。

またルミナルタイプにも2種類あります。

 

ルミナルA

癌の増殖スピードが遅いタイプで、抗がん剤の必要はありません。

ルミナルB

癌の増殖スピードが早いタイプで、抗がん剤も必要になります。

 

私の場合、ルミナルAだと教えてもらいました。

 

この結果を踏まえて、今後の治療方針が1つ決まりました。

 

術前にホルモン療法をした理由

 

私の手術が1ヶ月以上先の予定でした。

主治医はその事を懸念していて、手術までの間、何もしないわけにはいかない

と私に術前ホルモン療法の提案をしてくれました。

 

ホルモン療法については、副作用が気になりました

 

主治医からは、更年期の症状がみられる場合があるけど、

それは次第に慣れていくと教えてもらいました。

 

更年期の症状といえば、イライラ、暑い(ホットフラッシュ)

ぐらいしか思い浮かばず、なんとかなるかなと思いました。

 

それなら、主治医が言うように、

手術まで1ヶ月以上あるという事実の方をなんとかしなければならないと。

 

そこで、術前ホルモン療法をする事に同意することにしました。

 

同意書を見てみると、腫瘍の縮小再発率低減のためと記述がありました。

頂いた書類に記載されていた副作用は、

 

ほてり、発汗、月経異常、性器出血、子宮内膜症子宮体癌

血栓塞栓症、関節痛、関節のこわばり、骨粗損傷、頭痛、肝機能異常

 

ちょっと怯みましたが、遅かれ早かれホルモン療法はするので経験しておこうと思いました。

 

お薬の名前は、ノルバデックス錠20mg

朝食後、1回1錠

服用を約30日続けます。そして、手術前に一時中断。

手術後、再開という流れになりました。

 

副作用は、更年期のような症状、ホットフラッシュ等があり、

個人差はありますが、そこまで苦しむ事はないと言われています

多少の副作用は、仕方がない。

そう思っていたのですが・・・

 

数日後、体の調子が悪くなり始めました。

 

私が経験した副作用

 

頭のしびれ、のぼせ、腹痛、悪寒、冷や汗が、同時にやってくるという

初めて経験する気分の悪さでした。

顔がびっくりするくらい火照る様にもなり、

これが、ホットフラッシュかなと調べてみました。

 

ホットフラッシュ

 

女性ホルモンが少なくなり、体温調節が上手くできなくなります

突然、カッと暑くなったり、汗をかいたり、胸から顔面にかけて赤くなったりします。50%以上の患者に出現します。

 

程度の差はあれ、経験することが多い症状のようです。

私の場合、副作用が出てしまったタイプなのかもしれません。

 

ホルモン療法の副作用とお仕事

 

まず、立ち仕事という点で、苦しみました。

特に午前中、立って居られませんでした。

のぼせ、発汗、悪寒、倦怠感・・・余りの顔色の悪さに、同僚から「無理しなくていいから」業務内容を変えてもらったり気分が悪い時は座らせてもらいながら仕事をしました。

 

生理日と副作用が重なると、更に症状が酷くなりました。

朝起きられない、真夜中から、腹痛頭痛が続きました

 

主治医から、副作用は出ても慣れてくるからと言われていたので、

焦らないようにはしていたのですが、不安でした。

 

今までの人生の中で、ここまで体調が崩れたことがなかったので。

1ヶ月が経ち、体調が戻ってきたのを感じた時は嬉しかったです。

 

自分にどんな副作用が、どの程度起こるのかは、実際に服用してみないとわからないのですが、私にはしんどかったです

 

こうして、術前ホルモン療法が終わりました。

副作用に想像以上に手こずりましたが、

手術前にホルモン療法を少しでも経験できたのは良かったかと、

今では思います。