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乳がんかな?と疑い始めてからの日々を、振り返りながら、ゆるやかに綴ります。

早期発見が乳がん治療のカギ!抗がん剤治療をしなくていいケースも?

 

がんといえば、抗がん剤

抗がん剤と言えば副作用。

副作用と言えば脱毛、吐き気に苦しむ。

このイメージはまだ強いかと思います。実際、私がそのイメージを持っていました。

 

しかし現実は少し違っていて、抗がん剤治療をしなくていい場合があることや、脱毛しない抗がん剤もある事を知りました。

 

私の場合、抗がん剤治療をしなくていい一歩手前まで来ていました。

 

何が明暗を分けたのでしょうか?

 

 

乳がんを早期に発見することは、治療の成功率や予後を改善する上で非常に重要だと言われています。乳がんの治療は、ステージ、病理学的要因(ホルモン受容体状態やHER2陽性など)、リンパ節への転移の有無などを考慮し、個別の状況に基づいて計画がたてられます。

 

抗がん剤治療とは

 

乳がんの一部の患者さんは、手術後に抗がん剤療法を受けることになります。これは、腫瘍の再発や転移を予防するため、早期のがん細胞を排除するために行われます。抗がん剤療法は、がん細胞の増殖を抑えるために使用され、一般的には血液中に広がっているがん細胞や転移が疑われる場合に選択されます。抗がん剤は、乳がんの種類、ステージ、ホルモン受容体状態、HER2陽性などの要素に基づいて選択されます。ただし、抗がん剤療法は有効な治療法である一方、副作用もあります。副作用には、吐き気、嘔吐、脱毛、免疫抑制などがあります。


では、乳がん治療において、抗がん剤を使用しないケースとは?

 

早期乳がん(ステージ0〜II)の場合

 

早期発見によりステージが低いほど、がんの範囲が小さく、近隣のリンパ節への転移が少ない傾向があります。これにより、手術による腫瘍の除去が十分行えていれば、追加の抗がん剤療法は必要ない場合があります。早期乳がんの治療は、通常、手術(乳房温存手術または乳房全摘手術)に放射線療法を組み合わせることが一般的です。抗がん剤は、転移のリスクが低く、がん細胞が局所に限定されているためには必ずしも必要ではありません。私はステージⅡでしたので、ここに当てはまります。

 

転移のリスクが低い場合

 

乳がんは、がん細胞がリンパ節や他の臓器に広がることがあります。しかし、いくつかのケースでは、転移のリスクが低い場合があります。早期発見の場合、乳がんは他の部位への転移していないことが多いです。転移が限定的である場合、局所的な治療(手術や放射線療法)のみでがんを制御することができる場合があります。リンパ節への転移や他の臓器への転移のリスクを評価するために、病理学的要因(腫瘍の大きさ、グレード、ホルモン受容体状態など)が考慮されます。

転移のリスクが低い場合は、抗がん剤療法を省略することができます。

 

病理学的要素

 

乳がんの病理学的要素、特にホルモン受容体状態やHER2の発現状態も重要です。ホルモン受容体陽性乳がんの場合、ホルモン療法を中心とした治療が効果的であり、抗がん剤は必要ない場合があります。同様に、HER2陰性の乳がんでは、HER2に対するターゲット治療が不要である場合があります。

 

患者の選択による場合

 

抗がん剤療法は、がんの治療において効果的な方法であり、がん細胞を排除することができます。しかし、その副作用も存在します。
抗がん剤に関連する副作用には、吐き気、嘔吐、脱毛、疲労、免疫抑制などがあります。
一部の患者は、副作用を避けるために抗がん剤療法を選択しない場合があります。これは、患者の個別の状況や価値観に基づいた選択として尊重されます。

 

ホルモン受容体陽性乳がんの場合

 

ホルモン受容体陽性乳がんは、乳がん細胞がエストロゲンプロゲステロンなどのホルモンに感受性を持つ状態を指します。
ホルモン受容体陽性乳がんの治療には、ホルモン療法が含まれます。ホルモン療法は抗がん剤ではなく、ホルモンレセプターをブロックする薬物を使用します。
このような場合、ホルモン療法が効果的であるため、抗がん剤療法を省略することがあります。

 

早期発見と抗がん剤の関係性

 

乳がんの早期発見により、がんのステージが初期であることが多く、手術やその他の治療法の選択肢が広がります。
早期の乳がんは通常、リンパ節への転移や他の部位への転移が少ないため、抗がん剤療法の必要性が低い場合があります。
早期発見は、より効果的な治療法や治療選択肢の提供を可能にし、抗がん剤の必要性を減らすことができます。
一方で、進行したステージの乳がんでは、リンパ節や他の臓器への転移のリスクが高まり、抗がん剤療法が必要とされる場合があります。
乳がんの治療における抗がん剤の有無は個々の患者の状態に応じて判断されます。
そのため、早期発見であっても、病理学的要素や他のリスク要因(腫瘍のグレード、血管浸潤の有無、再発リスクなど)によっては、抗がん剤療法が必要とされる場合もあります。


早期発見は治療の成功率を向上させる一因といわれています。
そのためには、まず、小さなうちに乳がんを見つけなくてはなりません。

 

乳がんの自覚症状の早期発見

 

乳がんの自覚症状には、しこりや腫れ、乳房の形状や大きさの変化、乳頭からの分泌物、皮膚の変化(凹凸、色の変化)、痛みなどが含まれます。
早期の乳がんはしばしば症状が現れず、乳房自己検診やマンモグラフィーなどのスクリーニング検査が重要です。
早期発見による乳がんの治療は、より小さな腫瘍での手術や転移の予防、治療の選択肢の増加などを可能にします。

 

乳がんの診断

 

乳がんの診断は、乳房自己検診、臨床検査、画像検査(マンモグラフィーや乳房超音波)、組織検査(針生検や手術による生検)などを含みます。
乳がんは、腫瘍の大きさ、リンパ節への転移、ホルモン受容体状態(エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陽性)、HER2陽性などの要素に基づいて分類されます。

 

乳がん治療の種類

 

乳がんの治療は、手術、放射線療法、薬物療法抗がん剤療法、ホルモン療法、ターゲット治療)などの複数のアプローチを組み合わせて行われます。
早期の乳がんでは、乳房を温存しながら腫瘍を摘出することができる乳房温存手術(部分切除)があります。乳房温存手術では、追加の抗がん剤療法が必要ない場合があります。乳房温存手術後には放射線療法が行われることがあります。放射線療法は、乳房やリンパ節領域に再発リスクを減らすために使用されますが、一部の早期乳がん患者では必要ない場合もあります。全摘出の場合は、放射線療法が必要ない事があります。
ホルモン受容体陽性乳がんの場合、ホルモン療法が使用されることがあります。ホルモン療法は抗がん剤ではなく、ホルモンレセプターをブロックする薬物を使用します。早期発見でホルモン受容体陽性乳がんが確認された場合、ホルモン療法単独での治療が選択されることがあります。

 

ホルモン療法

 

ホルモン療法は、ホルモン受容体陽性乳がんに対して使用されます。ホルモン受容体陽性乳がんは、エストロゲンプロゲステロンなどのホルモンに感受性を持つ乳がんです。
ホルモン療法は、エストロゲンプロゲステロンの働きを抑制する薬物(抗エストロゲン剤またはアロマターゼ阻害剤)を使用します。

 

分子標的治療

 

HER2陽性乳がんは、HER2と呼ばれるタンパク質の過剰発現によって特徴づけられます。HER2陽性乳がんには、ターゲット治療が行われます。
分子標的治療薬(モノクローナル抗体チロシンキナーゼ阻害剤)は、HER2遺伝子やタンパク質を標的としてがん細胞を攻撃します。

 

経過観察と予後

 

乳がん治療後は、経過観察が重要です。定期的な検査や画像検査を通じて再発の早期発見や治療効果の評価が行われます。
乳がんの予後は、病期、腫瘍の特性、治療の適応性などによって異なります。早期発見と適切な治療は、予後の改善につながることがあります。


乳がんは、女性に最も多く見られるがんの一つであり、早期発見と適切な治療が重要です。しこりが大きくなってから気づくよりも、セルフチェックと乳がん検診で小さい段階でより多くの方が早期発見することができればと願っています。