大切なものは、見えるところに。

乳がんかな?と疑い始めてからの日々を、振り返りながら、ゆるやかに綴ります。

乳がんホルモン療法|閉経前から閉経後へ〜お薬はタモキシフェンからレトロゾールへ

 

乳がんホルモン療法は、閉経前と閉経後の期間によって、ホルモン療法のアプローチや使用される薬剤が異なる場合があります。

私の場合、手術前にもホルモン療法を行ったのですが、その時は閉経前でした。

 

 

 

乳がんホルモン療法

 

閉経前

 

閉経前の場合、女性の体内ではまだホルモンが活発に分泌されています
そのため、ホルモン療法では、エストロゲン受容体陽性の乳がん細胞をエストロゲンから遮断することが目的とされます。
これにより、乳がんの成長や再発を抑制する効果が期待されます。
お薬はタモキシフェンが処方されました。

タモキシフェンの副作用では、ホットフラッシュや倦怠感、頭のしびれに悩まされましたが、1ヶ月ほどで徐々に慣れてきました

 

閉経後

 

手術後は、抗がん剤治療を始めて約1ヶ月半で化学療法誘発性無月経を発症しました。
それから月経が来ないまま、ホルモン療法を再開することになりました。
そこでまず、月経状態を調べるための採血を行いました。

判断の基準になるのが採血でわかるエストラジオールおよびFSH値です。

 

エストラジオール(血中エストロゲン

閉経後のエストラジオールの基準値は、通常20 pg/mL以下とされています。

 

FSH(卵胞刺激ホルモン)

閉経後のFSHの基準値は通常40 mIU/mL以上とされています。閉経前に比べて高いFSHレベルが観察されます。

 

私の検査結果は、エストラジオールが5.0未満、FSH値が86.17でした。
閉経ということで、今後ホルモン療法をすることになりました。

 

閉経後の期間では、卵巣の機能が停止し、女性の体内でのホルモン分泌が減少します。このため、ホルモン療法では体内のエストロゲン量を更に減少させることが重要です。
閉経後には、アロマターゼ阻害剤が使用されることが一般的です。
アロマターゼは体内でエストロゲンの合成を担当する酵素であり、アロマターゼ阻害剤はこの酵素の働きを抑制します。これにより、エストロゲンの産生を抑え、乳がんの成長を阻止します。


私はレトロゾールというアロマターゼ阻害剤を処方されました。
これから最低5年間は服用を続け、ホルモン治療を行います。

 

レトロゾールの副作用


個人差があるそうですが、まず「吐き気」について薬剤師さんから説明がありました。服用を始めて最初のうちに吐き気がでると、それが続く傾向があるそうです。その場合は、吐き気止めを医師と相談したほうが良いとアドバイスを頂きました。次に「関節痛や筋肉痛」。強く出ることがあるそうなのでそうなったらやはり要相談です。


あとは、ホットフラッシュ(ほてり)、倦怠感、頭痛。
タモキシフェンと同じ様な症状です。ホットフラッシュが強く出る場合は、漢方を処方すると主治医から言われています。


また、重要な注意点として、レトロゾールは骨密度の低下を引き起こす可能性があるということです。関節のこわばりや骨折のリスクも増加する場合があります。骨粗鬆症の予防や骨健康について考える必要があります。今のところ、骨密度は平均並みなので、この状態が維持できるように食事や運動の面から考えていこうと思っています。

 

現在は背中の痛みと吐き気が副作用として表れています。
このしんどい症状が時間をかけて慣れていくものなのか、様子を見ていく必要があります。

 

乳がんホルモン療法の対象となるかどうかについて

 

エストロゲン受容体陽性の乳がん


ホルモン療法は、エストロゲン受容体陽性の場合に使用されます。エストロゲン受容体陽性の乳がんは、ホルモンによって刺激されるため、ホルモン療法が有効とされます。
乳がんエストロゲン受容体陽性かどうかを確定するために、私は組織検査(生検)を行いました。乳がんと疑われる組織を採取し、病理学的又は組織学的な検査によって、エストロゲン受容体の存在や量が評価されます。

 

乳がんのステージ


乳がんのステージ(病期)もホルモン療法の適応を判断する重要な要素です。早期の乳がん(ステージ0からステージ2)では、ホルモン療法が一次治療や補完療法の選択肢として検討されます。進行した乳がん(ステージ3からステージ4)でもホルモン療法が使用されることがありますが、他の治療法との併用が一般的です。

 

閉経状態


ホルモン療法において、閉経前後の状態も考慮されます。閉経前の女性では卵巣がまだ機能しているため、卵巣抑制薬(GnRHアゴニスト)と組み合わせてホルモン療法が行われる場合があります。閉経後の女性ではエストロゲン製剤やアロマターゼ阻害剤が使用されることがあります。

 

患者の全身状態と個別の状況


年齢、健康状態、他の病歴、薬物アレルギー、既存の副作用など、個別の状況も考慮されます。ホルモン療法は長期的な治療になるため、身体の状態や生活への影響を考慮して個々にあった治療計画を立てていきます。

 

乳がんホルモン療法は、私たちの個別の状態に合わせて行われる大切な治療法です。それぞれの時期に応じた薬剤が使用されることで、最適な効果が得られるといわれています。お薬の副作用で、しんどい思いをするかもしれませんが、主治医や家族、職場の人に相談しながら上手くやっていきたいと思います。