乳がん退院1ヶ月後|術後(永久)と術前病理結果の違い〜抗がん剤の有無
病理結果には2つあります。手術前と手術後の結果です。
手術前の病理結果は、生検で採取した一部組織を調べるもので、良性か悪性かの確定診断で重要になります。また、手術前の方針を決めるデータとして使用されます。
手術後の病理結果は、摘出した乳房全体を調べるものでこれが最終結果となります。
今回は以下に、術後(永久)病理結果を記載します。
強調部分は術前と術後で結果が異なった重要な項目になります。
術前病理結果
手術前、乳房から組織を採取して調べてもらった結果です。
乳がん組織学的分類
浸潤性乳管癌
最大浸潤径:22mm
リンパ管転移:N0
遠隔転移:M0
乳がん進行度
浸潤部の大きさ:T2
リンパ管転移:なし
リンパ管侵襲:なし
進行度:Ⅱa
乳がん性質
核異形度:Ⅰ
癌増殖能:15~30%( ki67 )
ホルモン療法効果:あり( ER:7、PgR:7)
抗HER2療法効果:なし( HER2:1 )
術後(永久)病理結果
手術後、摘出した乳房を調べてもらった結果です。
乳がん組織学的分類
浸潤性乳管癌
最大浸潤径:22mm
リンパ管転移:なし
リンパ管侵襲:あり
乳がん進行度
浸潤部の大きさ:T2
リンパ管転移:N0
遠隔転移:M0
進行度:Ⅱa
乳がん性質
核異形度:Ⅲ
癌増殖能:15~30%( ki67 )
ホルモン療法効果:あり( ER:7、PgR:6 )
抗HER2療法効果:なし( HER2:1 )
術前と術後結果で異なった重要な点
脈管侵襲と悪性度、この2つが異なっていました。
脈管(リンパ管)侵襲
血管やリンパ管に、癌細胞が多く見られる状態でした。
リンパ節には癌細胞はありませんでしたが、脈管侵襲が広範囲に渡り、主治医が懸念していました。
悪性度ⅠからⅢへ
顔つき、とも呼ばれるものでⅠ〜Ⅲと3段階あります。
数字が多くなれば、悪性度も上がります。それがⅢになりました。
抗がん剤をしましょう。
主治医からの提案でした。
手術前の結果だと、ホルモン療法だけで良かったのですが、術後の結果を見ると抗がん剤を絶対にしたほうがいい、それに抗がん剤が効くタイプだから、という事でした。
ここでは他にも考えられる選択肢がありました。
抗がん剤がいるかどうかを調べることができる遺伝子検査や、セカンドオピニオンです。
私はそのどちらも選ばず主治医の言葉を信じるという選択をしました。この選択には、これまでの主治医とのやり取りが大きな決め手になりました。主治医は手術前も手術後も、このまま行けばホルモン療法だけでいいからね、と嬉しそうに私に話してくれていました。
抗がん剤治療をすることにより今の生活に支障が出てしまいます。それでも私のこれからの人生において、再発・転移の事を考えれば本当に必要で重要な治療だということを主治医から丁寧に説明してもらいました。
がんで苦しむことのない人生にするためにの抗がん剤治療。
私はそう理解し、そして、その場ですぐに返事をしました。
抗がん剤をする事になり、隣で聞いていた母は落胆していました。
抗がん剤のイメージが悪すぎるためです。
脱毛、吐き気などなど副作用で大変なことになるというイメージ。
私もそうでした。
主治医は私達のようすをみて声を掛けてくれました。
「今は副作用をかるく出来るおくすりがあります。調整もできます。少しでも負担が減るように医者が頑張る番です」
信じようね
母と私は顔を見合わせて、うんうんと頷きました。
抗癌剤の種類と投与期間
抗がん剤は1回投与したら、次の投与まで時間を開けます。
それを1クールと言います。
私の場合、ドセタキセル4クール、EC療法4クールで、1クールが3週間と教えてもらいました。
3週間を8クール行うので約半年の治療期間になります。
この日の説明はここまででした。抗がん剤の副作用や治療の受け方については又後日になりました。
投与開始は約3週間後です。
頑張ろうねと、これからどうなるのかねという話をなんども二人で繰り返しながら帰宅しました。
なるようにしかならないのですが、
再発や転移の確率を少しでも下げるために、祈るような思いで
抗癌剤治療を始めることになりました。
抗癌剤治療については、またの機会でお話をと思っています。
では皆様、今日が良い日になりますように。